第3話    人影
その人影の正体は教会を管理しているおじちゃんだった
「この町には教会が二つあってね・・・。わしは教会を二つ共管理してるんじゃよ」
「教会を二つも・・・。大変ですね」
「ねーおじちゃん、この教会って何でこんなに古いの?」
「ここはもともと神殿が建ってたんじゃよ。しかし20年位前に魔物の襲撃にあって神
殿は壊れて祭壇だけが残った。6年程して教会に建て直したんだが、また6年後魔物の
襲撃にあい、今になるとゆう事じゃ」

  同じ場所を2回も襲う・・・?何でだろう・・・・。
  この教会には何かあるのか?!

それから約1時間、辺りは暗くなり少しずつ星が見えてきた。
「今日の月って青白いね。カイ」月を眺めていた十六夜が振り返り言った。
「え?あぁ本当だ・・・。綺麗だナ」
今日みたいな日は何か起こっても不思議じゃないかも・・・・。
なーんて・・・。
 フワッ
隣の窓の方で赤紫の髪が風になびいている。
「ジェンドか・・・。何してるんだ?」
「・・・・・何だっていいだろ」
月明かりに照らされて・・・ジェンドの髪が美しく輝いている。
「・・・・っはっくしゅん!!!」急にジェンドがくしゃみをした。
「おい、大丈夫か?こんな薄着してるから・・・。ん〜〜と・・・これでもはおってろ
よ」
カイは部屋にあった毛布をジェンドの肩にかけた。
「・・・・・・」
ドキッ
「どうした?ジェンド」
「い・・・いや別に・・・・」
な、何だ今のドキッてのは・・・・・気のせいだよな?
そう・・・気のせいだ・・・
ジェンドは少し赤くなった顔をカイの方に向けた。
・・・・が、カイはいなかった。
「・・・?(キョロキョロ)」
横の窓の方で声がした。
・・・・何だ。そこにいたのか・・・
カイは十六夜と喋っていた。
「僕眠くなっちゃった・・・・・。おやすみぃ〜カイ、ジェンド(~O~)」
「おやすみ、十六夜」

起きているのは、カイとジェンドだけ・・・・
二人の間に沈黙と言う名の闇が訪れる・・・
雲が月明かりを遮る・・・辺りは暗くて何も見えない・・・・・
先に沈黙を破ったのはカイだった。
「・・・・・そろそろ寝ないか?十六夜も寝たし・・・・」
「・・・・わかってる。でも私は寝られないから先に寝てろ・・・・」
「わかった。じゃ、おやすみ・・・。あ・ジェンドも早く寝なよ!」
カイはそれだけ言うと寝てしまった・・・・
疲れていたみたいだ・・・
それにしても・・・今日は月が綺麗だ・・・・いつもより綺麗すぎて・・・何だか、何
もかも見透かされているよーだ・・・嘘がつけない感じ・・・・・。
・・・・カイの事も・・・・?カイの事を考えると少し胸が苦しい・・・・・。
・・・なぜ・・・??
・・・・・考えててもしょーがないし・・・・
「寝るか・・・」
ジェンドがベッドの方をむいたそのとき・・・・!
「こんばんは・・・ダークエルフのお嬢サン」
今までジェンドしかいなかったはずの窓に人が・・・?!
「だ・・・誰だ!貴様!!!」
「そんなに怒鳴らなくても良いですよ・・・(苦笑)私はニクロムと言います。貴方を
私の『城』へ招待します・・・」

 第4話    真夜中の訪問者
その人は、銀色の髪に青い瞳、黒い服を着た青年だった。
「貴方は私の城に来るのです」
「フン。誰が行くか!!」
「そうですか・・・あまりこのような手は使いたくなかったのですが、仕方ありません
ね・・・・」
彼は袋から粉状の物を出した。
粉は風に舞って部屋の中に・・・。
「貴様!一体何をっ?!(ガクッ)」
「フフフフ・・・・」
?!意識が・・・・だんだん・・・遠退いて・・・・・
ジェンドは眠ってしまった。あの粉は眠り薬だったようだ・・・。
「フフフ・・・成功したようですね・・・・。
ニクロムはジェンドを抱えて窓の手摺りに乗ると・・・・翼を広げて夜空の闇へと消え
ていった。


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