do-mo,もとい・・・どーも、アシャっす。
高校受験も終わってようやく遊べる様に
なりましたです。
というわけで、たったいま書き終わった
ばかりの小説を送信させていただこうかと。
イリアちゃんが主人公っす。小説の題意は
「過去を慈しみ、未来への明るい希望を持って
いきる」(な〜にいってんだか)ってなことに
なってまして、か・な・り・くさくて重いです。
お気をつけて。
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雲と記憶と
「ウリック、お前何してんだ。早く行くぞ。」
金髪の魔法使いは呆れかけた口調で言った。
「んー、ごめん シオン。ちょっと待って。コノ子ケガしてるから、とりあえず応急処置だけでもしてあげたいんだ・。」
ウリックと呼ばれた黒い髪の少年は包帯を口にくわえながら答えた。コノ子、とは魔物のことである。少年は慣れた手つきで器用に包帯を巻いていく。
「まぁ、いつもの事だし別に驚きもしないけどね。」
二人の仲間である妖精のレムは苦笑しながら言った。
「ごめん。もうすぐ終わるから。わっ、君動いちゃだめだよ!」
治療中の魔物が急に首を左右に振り始めた。薬や包帯、三人の姿など見慣れぬものを目の前にして少し興奮しているのだろう。ウリックが困っていると、
「ほら、ウリック 包帯かせ。俺様が巻いてやるからお前はこいつをおさえてろ。」
とシオンが手をかしてくれた。
「シオン・!」
さっきまでの困り顔が嘘のように、喜びと満足感でウリックの顔の中は満たされた。
「もー、しょうがないわね。ほら、シオン。止血薬、必要でしょ。」
それは、いつもと何ら変わらぬ三人の作り出す光景のひとつであった。
時代は四千九百九十三年。邪心竜ディアボロスによって生気を失った世界、オッツ・キィムの混沌の時代の物語である。
コノ物語の主人公ウリックは、十年前、かの邪心竜を倒したといわれている英雄ザードの弟、いや、実は妹なのだ。ザードが邪心竜を倒した数年の後それは復活をとげ、彼は殺されてしまった。(と いわれている。)その敵を討つべく、ウリックは家を出たのだ。彼が少年の姿をしているのには理由があるのだが、今ここで言う必要も無い。
「シオン、ありがとうね。おかげで早くおわった。」
「まったくお前は。そんなんで魔物達を束ねているあいつを倒せるのか。」
「平気よ!だって、ウリックは強いもの!!」
「俺様が弱いと言うのか!?」
「言ってないでしょー!」
いつもの会話、いつもの顔。それがウリックの何よりも彼等に求めていたものなのかもしれない。これが、あと数日後には打ち砕かれてしまうなんて三人は思ってもみなかったろう。
*
「シオン・シオン!?」
目が覚めた。夢だったのだ。シオンがいなくなてからというもの、シオンの夢ばかり見るウリック、いや、今の彼女の名はルオスであったか。
ルオスは現在もレムと共に旅をしている。二人は昨日、アイカピという町にやって来た。彼女が目覚めた宿は町の中心付近にあり、情報網もよく発達していた。ほとんどの町の近況情報等は、ここの辺りを中心にして町内に広まっていく。
二人は朝食をすませ、荷物を持ち、町内探検に出かけた。探検と一口に言っても、ルオスの新たな働き口を見つけるための探検である。
「おいしい林檎の沢山なる森が町の北外れにあるんだって。」
町の小さな少年から得た情報である。食べ物対しては全ての理性を失ってしまうのが、ルオスの性格的特徴である。
「ね、レム。北外れの森に行ってみようよ。」
「ちょっと、バイト探しはどうするのよ!」
「そんなの明日でもいいじゃない。行こう!」
ルオスは物凄い速さで走りだした。今しがた朝食を食べたばかりの彼女の腹は満腹に近い状況にあった。が、森についたときにはもう半端でなく疲れ果て、腹の中はあもうほぼ空になってしまっていた。そのうえ屈辱のような災難、林檎の木には林檎は一つもなっていなかったのだ。絶望するルオスにレムが一言、
「よく考えてよ、ルオス。今は林檎のなる季節じゃないのよ?」
と言った。
「もうっ、いつまでうなだれているのよ!昨日言われた事、まさか忘れてないわよね!?」
二人は昨日宿の主人に言われた事を急に思い出した。それはこの町の言い伝えであった。四百年に一度北外れの山から聖水が流れてきて町を聖なる力で覆ってくれる、と言う誰もが迷信だの何だの言うようなことだった。しかも、その水の流れる日は今日なのだという。
「どうしよう、レム。僕達今 北の外れにいるんだよ!山の側にいるんだよう!!」
ルオスは空腹と水への恐怖感でわけのわからぬ口調で叫んだ。と、その時、予知していた、そして誰もが起こるまいと思っていたことが起きてしまった。天から聞こえてくる怒涛のおたけび、それはまぎれもなく山から流れ出た例の水の音であった。
二人はしばらく身動きのとれぬまま固まっていたが、すぐ気を取り戻し町の方へ向かって走り出した。逃げなければ。人間の本能的な思考である。
「わっと・。包帯落としちゃった!どっ、何処だろ?」
ルオスはこの状況におかれても、自分の命より治療用の包帯の方が惜しいようだ。立ち止まって下を見、四方八方探し回っている。
「何してんの!早く・。キャアッ!!」
水はもうすでに二人から十メートルと離れていない所まできていた。こうなるともう、包帯を探している場合などではない。ルオスは包帯を諦める決心をつけ、また走り出した。
町に着いた時には、すでに皆は非難し終わっていた。町の衆は町の西外れにある崖の上にいた。早く、もっと早く!シオンの与えてくれたに等しいルオスの命!
「そこの女の子!早く、そこのヒモをつたって登ってくるんだ。確かにかなりの力はいるが、大丈夫。こんな時、人間何でもできるもんだ!!」
実際、力のあるルオスにとってそれというのは さほど難しいことではなっかた。
上まで登りきり、ルオスは辺りを見回した。そこには、皆の絶望する顔があるだけだった。見かねたルオスは叫んだ。
「何みんなしてうなだれているんだ!確かに町は大水にのみこまれてしまったけど。これからじゃないか、水がひいたらみんなで協力して町を立て直そうよ!」
「あぁ、そうだ。・よそ者になにが分かるというのだ!?俺達が、そして俺達のご先祖様が創り出した四百年の歴史が!一瞬にして壊されてしまったんだぞ・・。」
男は泣き出した。町の人間達にとって、やはり自分達の住む場所はなによりも大切なわけだし、それをほんの一瞬にして失ってしまった衝撃は相当のものだろう。、ルオスにはその気持ちがよく分かった。大切なものを失う事の辛さが。だから思わず叫んでしまったのだ。
水の動きが静まり、聞こえてくる音は皆の泣声のみになった。辺りは真っ黒な闇に覆われ、星の一つもその姿を見せてくれることはなかった。
「みんな、すごいよ。」
彼女ははっきりとした口調で続けた。
「四百年、八百年って昔の人達も、きっといまの君達と同じ気持ちだったんだろうな。僕も手伝う!水がひいたら町を立て直そう!可能なことなんだから。だって、君達のご先祖様達だって同じことをしてきたんだよ!」
「無理だ、ここまで滅茶苦茶になってしまっては。とても元通りになんて・。」
町の一人は頭を抱えながら言った。それを見てルオスは叫んだ。
「どうして元通りという事にこだわるんだ?町が水によって姿を変えてしまった様に、雲だって風によって姿を変える。そして、もう二度と同じ姿を見せる事はないんだ!だから、何もそんなことにこだわらなくてもいいんじゃないかな・・?」
今度は誰一人として反論する者はいなかった。
*
アイかピの町はもうすっかり復興した。勿論、ルオスも復興作業には手をかした。二人はすでに町を後にし次の町へ向かって歩いている。
「あーあ。包帯流れちゃったなぁ。」
「そういえば、どうしてあんなに包帯を気にしていたの?」
レムの質問にルオスは少し顔を赤らめながら言った。
「あれね、シオンが僕に買ってくれたものなんだ。ほら、僕ってよくいろんな人のケガの手当てするから包帯とか薬とかってすぐなくなってしまうじゃない。だから・。」
彼女の目に何かがこみあげてきた。
「うわっ、何コレ。ね、レム。どうして雲は姿を変えるのに、人の記憶は何年たっても変わんないのかな。変わってくれたらこんなに苦しくなることなんてないのに。」
そこには一人の少女の姿があった。
レヴァリの後日談ですね..。ああ何か勇気が湧く作品です♪♪♪
未来はわかんないけど前向きな思考になれます。
ウリックの
『もう二度と同じ姿を見せる事はないんだ!
だから、何もそんなことにこだわらなくてもいいんじゃないかな・・?』
が印象的ですね...。
最後のセリフ...ぅぅ..切ないですね。
(記憶が残るからその時その時を大事に生きて、
未来につないでゆくんだろうな....未来なんて一つ一つの積み重ね..過去はその結果
と思う今日この頃(何か当たり前のこといってる?)←謎)